こんにちは。カウンセリングルームcoco-caraです。
心理学用語で、「ピグマリオン効果」という言葉があります。
そして、「ピグマリオン」というタイトルの映画があるのも、ご存じでしょうか。
初めて聞くタイトル…という方もいらっしゃるかもしれませんが、ストーリーは知っている人も多いかもしれません。
あの有名な「マイ・フェア・レディ」の原作なのです。
「ピグマリオン」は、ギリシア神話のお話の中に出てくる人の名前が由来です。
【ギリシア神話の”ピグマリオン”】
ピグマリオンは、男性。
同世代(大人)の女性に不信感を抱く彼は、理想の女性像を彫刻で作り始めます。
次第に、その彫刻の女性に恋心をいだき、始めは裸体像だったのを恥ずかしく思い、
服を着た像に作り変えます。
そして、「この像が人間になってくれたら・・・」という大きな期待が本気になり、
彫刻にメイクをしたり贈り物を送ったりと、思い焦がれる生活から、
しまいに憔悴しきってしまいます。
その様子を見た女神が、本当にその像を人間に変えてあげて、ピグマリオンはめでたく
その彫刻だった女性と結婚します。
【ピグマリオン効果】
「大きな期待をかけて人に接すると、相手はその期待に応えてくれる」という
心理があり、この神話のストーリーになぞらえて「ピグマリオン効果」と言います。
親が子供に、上司が部下に。色々な場面で、他者の成長を願うことがありますね。
その時、子どもや部下に対して「あなたは絶対できると期待しているからね!」という言葉や態度で接していくと、やる気が発揮され、その期待通りに成長してくれるというものです。
しかし、どんなことでも誰でも期待に応えられるかというと、そうではありません。
以下の二つは必須項目です。
①本人(子供、部下)が自主性を持って取り組んでいるものかどうか。
親や上司の願望や希望に、子どもを従わせることではありません。
あくまでも、子どもや部下が「したいこと」に対しての大きな期待をかけてあげること。
②疑いなく信じ続け、応援すること。
親や上司が、ちょっとでも「できないかもしれない」と思ってしまったらダメ。
子どもや部下は、しっかり見抜きます。
口では期待すると言いつつ、心の中では期待してない、となると、
「期待されていない」方を実践してしまいます。
反対に、「期待をかけない接し方」をすると、相手はやる気を失ってしまう「ゴーレム効果」というのもあります。
悪い印象を持ったまま相手に接すると、相手は自分に悪い結果をもたらす、というわけです。
【映画「ピグマリオン」】
映画ピグマリオンでは、言語学教授が、花売り娘のイライザの訛りを短期間で矯正し、
パーティーで淑女と思わせられるように成長できるよう、「期待」を込めて指導をします。
(発端は、友人との賭けなんですけども)
イライザの教育については、友人との賭けという不純な目的かも…とか、
教授としての練習台かも…、と思われるフシも無きにしも非ずですが、
イライザ自身も、自分の成長のため、やる気満々なのです。
(「ピグマリオン効果」として、教授のイライザへの期待と信念を
表しているのだろうと思いたい。。。)
教授は、揺るぎない思いで、イライザを教育します。
(かなりのスパルタ)
そして、みごと、イライザは期待に応え、淑女(異国の王女とまで)だと思わせることに成功。
教授は友人との賭けに勝ちます。
でも(作中、教授の母親が指摘するのですが)、「期待」をかけるからには「賞賛」と「感謝」も必要なのですね。
その二つをしてもらえなかったイライザは、不満大爆発。
しかし教授としては、自分は友人との賭けに勝ち、イライザは訛りが治った・・・「お互い良い結果じゃないか!」という言い分で、二人は決裂します。
【教授自身がピグマリオン】
古い映画ですが、女性の自立的な事も出てきており、言い合いの最中、
イライザが「私は一人で生きる(結婚しない)」と言ったら、
教授は「とうとう理想の女性になった!!」と言います。
二人は恋をしているのかと思っていたら、この会話はなんだか不思議ですね。
…といいつつ、最後は素直になれない二人の恋(?)のやり取りも垣間見られ、
「私は何を見せられているのだろう(照笑)」と思います。
機会があれば、ご覧ください。
教授は、ツンデレというか、終始本気なのでしょう。
もともと、教授は女心が分からない設定で、現実的な異性に関心を向けず、
理想の女性像を作り上げることに熱心になっています。
そういうところがタイトル通り、神話のピグマリオンそのものです。
(マザコンの要素です。)
この映画には、そのまた原作があるそうで、そちらは二人は恋に落ちないそうです。
私個人的には、その結末の方がしっくりきます。
イライザにとっては、教授は雲の上の人のようであるような位置づけで、
時代背景的にも身分の差など、恋愛関係(同等の関係)というのは、思いもよらないくらいの
存在なのではないか。
ただ、人としては少し近づきたい。今のような嬉しい関係が続けばいいな、という感じなのではないかと感じてしまいます。
(ファザコンの要素です。)
これらを考えてみると、ちぐはぐな二人のやり取りも納得できる気がするのです。
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