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相手に話が通じない時

更新日:2020年10月5日


【ちゃんと説明してるのに、伝わらない】

職場の人や、家族と話していて、「なぜ、この人は、私の言うことが分からないのだろう?なぜ、伝わらないのだろう」・・・と悩むことはありませんか。


例えば、こんな例。


職場で、「この業務をしてください」と、内容もしっかり指示をしているのに、部下は全然違うことをして、ミスしている。

「ちゃんと、指示を出したでしょ」と怒ったら、相手からは「言われた通りにしました」と、返事が返ってくる。

びっくりですよね。全然結果が違うのですから。


夕方、子どもに、「寝る前に宿題をしようとしても、しんどくなるだけだから、先にしなさい」と言っても、なかなかしようとしない。そして、やっぱり宿題をし忘れている。

「ほら、お母さんが言ったことを聞かないと、だめじゃない!」と怒っても、「聞いてたけど、忘れてた。」だけで終了。 せっかく伝えているのに、上手くいかなくて、イライラしたり、悲しくなったり、むなしくなったりしますよね。 「あれだけ言ったのに‼」「どうして、分からないんだ?」と。 こちらは、「伝えてる」 相手は、「言われた通りにしている」 でも結果は、思った通りではないことになっている。

上司や親など、上の立場(経験など)の人が、よく感じることかもしれません。

やる気がない部下だったり、悪さばかりする子どもではなく、相手は真面目で、ふざけているわけではない。一生懸命にしているのに、結果が違うから、「どうなってんの?」と不思議に思うパターンです。


この場合、相手の経験値を確認し、まず「相手のレベルに降りて伝える」視点を持ってみる、というのが、1つの手になります。



【相手に合わせたレベルで伝えているか】

このすれ違いは、どのようなことが起こっているのでしょうか。

この部下や子供は、「ダメな出来ない人」ということなんでしょうか。


この場合はもしかすると、上司や親が、「自分(伝える側)のレベルに合わせた伝え方をしてしまっている」という可能性があります。

このレベルというのは、知能という意味ではなく、経験値や能力値という意味です。


伝える側と、レベルが同じ(もしくは高い)人であれば、今の伝え方で十分、分かってもらえます。

それと同じ感覚で、部下や子供に対して「ここまでは、わかっているだろう、できるだろう。」と、無意識に判断していて、話をしてしまっている可能性はありませんか。


相手が、同じ経験値レベルまでにない事柄の場合、レベルを落とした言い方でないと伝わりません。

文章でみると当たり前のことですが、実際には意外と気づかないことでもあるのです。


人は、自分の持っている能力内で解釈をし、実行してしまうものです。

だから、あなたが伝えた内容を、相手は自分なりの経験値で解釈をしているので「言われた通りにしましたけど」という返事が返ってくるのですね。


また、本人が実際にそうだ、と感じていなければ、予測は無効です。

先ほどの「寝る前に宿題するのはしんどい」というのは、親の見方であり、子ども本人が「寝る前に宿題をするのは、とてもしんどいことなんだ」と実感が湧いていないと、伝わりません。

だから、子どもは「忘れてただけなんだ」と主張するのですね。


あれ?なんで伝わらないんだろう、ということが続いたとき、「もしかしたら、相手は知らないだけなのかも」と思って、レベルを落として説明してみてください。

相手は、ある部分に関してのみ、経験値レベルが極端に低いことがあります。

(他のところが良くできるために、知らないところも、知ってるだろうとまわりに思わせてしまう。)



【大人の伝え方より、子どもが分かる言葉を使う】

私の経験なんですが、私が子供の頃、夜更かししていたら、親は「寝不足になると風邪をひくから、早く寝なさい」と言っていました。

大人になった今では、「寝不足」→「疲れが取れない」→「免疫不足」→「風邪をひきやすい」

…という意味が分かるし、ここまで考えなくても、経験上「睡眠の大切さ」が分かります。


でも、子どもの頃は、「寝るのが遅かったら風邪をひくことに繋がる」という意味が、よくわかりませんでした。

寝る事が疲労回復になるということが、子どもでは分からないからです。

別に私としては、親の言うことを聞きたくない、と思ってたわけではなかったです。

単に早く寝なければいけない意味がわからず、それだったら、楽しくテレビ見てる方がいいですよね。そして夜更かし→案の定、風邪をひく→親から「ほら、みなさい!言うこと聞かないからよ!」と怒られる。

の繰り返しでした。


この場合は、一例として、「たくさん寝ると、今日使った力が戻ってきて、元気になるんだよ。明日元気に学校にいくために、早く寝よう」と、子どもが分かるレベルに降りてあげて、伝えてあげることが、「うん」と言いやすいですね。

先ほど言ったように、ある違った面では、子どもでも1言えば10を分かることもあるのです。

だから親としては、「これも、大人の感覚で言っても伝わるだろう」と思いがちになるのですが、ピンと来てない部分は、その子に合わせた内容に降りていかなければ、分かってもらえないのです。


*ちなみに、「寝不足で風邪をひく」は、私についた、ゆがんだ固定観念でもあります。

結果としては、その通りなのかもしれませんが、風邪の理由が睡眠不足だけとは限らないからです。

今でも、「睡眠不足になると、風邪をひくかもしれない」という強迫観念があります。

三つ子の魂百まで。怖いものです。



【まとめ】

上司や、親の立場としても、「私の言う伝え方で、なぜ分からないんだ」と、イライラするのも嫌ですよね。

相手のレベルに合わせて話をすることは、折れるということではありません。

レベルを降ろすということが、相手に対して見下しているわけではありません。

逆に、分かるように説明してもらえることで感謝されるでしょう。

そして、望み通りの結果が付いてくるので、いいことづくめです。

ひと手間が、スムーズにいくことにつながります。

一度、その子(その人)が分かるレベルに合わせる(降りる)伝え方を、何回か試してみてください。

そうして、経験していくうちに、意味がすぐに分かるように成長してくれるのです。






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