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この世での自分の存在:「京都迷宮案内」より

更新日:2020年9月11日

京都の鳥居

今日は、今までみたドラマの中で、印象に残っているものの感想です。

心理学的にも考えさせられるところが多く、見る人によって心に刺さるものが変わるのではないか、そんなドラマです。


今日のご紹介は、「京都迷宮案内」「新・京都迷宮案内」です。

本放送自体は、10年以上ほど前になると思いますが、今でもたまに再放送をしています。

新聞記者(橋爪功さん)が主役で、毎回京都内で起こる「謎」を解いていくストーリー。

「謎」というのは殺人ミステリーではなく、記者の身の回りで起こる、「なぜ、こんなことが起こったのか?」「なんで、この人はこんな行動をしたの?」というもので、記者の独自の目線で進んでいきます。

何回も見たはずなのに引き込まれ、オチは分かっているのに、涙が出てしまいます。

私自身、年齢を重ねるごとに、物語の奥深さが分かってきて、感じるものが変わってくるので、いつでも感動してしまう。



【事実のみを受け止め、干渉しない】

新聞記者が仕事で担当する「コラムを書く」という名の下に「毎回起こる謎」の真相を探っていくのですが、ドラマでは、その事実しか映し出されていません。

今起こっている事、奇怪な行動をしてしまっている人の思いは、事実そこにあり、どうすることもできません。

記者は、この事実(悪いこと、悲しいことが多い)に、意見や干渉は一切せず、そのまま受け止める、というかたちで終わることが多いです。

記者としても、「自身の考え」や「感じる思い」はあると思うのです。

その考えや思いが機動力になって、謎を解いていく力になっているのですが、それを最後まで表には一切出しません。事実を受け止めるだけ。

ちゃらんぽらんで、感情的で、自由な好奇心という性格に、感情がうまく隠されているのですが、もしかして、一番熱く切なく、事実を見ている男なのかもしれません。

それが伝わってきて、泣けてくるんですよね。


その裏表を、記者の役である橋爪さんは上手く演じられてて、そこも凄く引き込まれてしまいます。

周りの俳優陣演じる登場人物もあったかくて好きですし、全員に意味がある。欠けて欲しくない存在。



【人は、「自分の存在」を叫びたい】

人生の生老病死について、すごく考えさせられるドラマだな、と思います。

例えば「余命宣告を受けた青年」の話や、「お惣菜店の謎」のお話は、涙が止まらなくなります。

人はみんな、この世での「自分の存在」や「自分がいた痕跡」を叫びたい、確かめたい、残したいものなのかもしれません。

他人にとっては「なぜ?」な行動も、本人にとっては大事な意味ある行動であり、弱さでもあり。

その叫んでいるものを聴き、受け止めるのがカウンセリングだと思います。


夏の「京都地検の女」、冬の「京都迷宮案内」。

繰り返し、放送してほしいと願うドラマです。







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