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アートセラピーの参加レポート【ユング】

更新日:2022年5月2日

こんにちは。カウンセリングルームcoco-caraです。


絵で表現

みなさんは、シルバーウイーク4連休はいかがお過ごしでしたか?

私は、アートセラピーワークショップに参加してきました。

今回は、自分が受けたアートセラピーのレポートをお伝えします。


カウンセラーとして、このようなセラピーを受けることは、「自己分析としての内省」がクライエントを見るための勉強になり、「自分自身のための癒し」のためにも必要なことです。

ワークショップには、10名のカウンセラー、カウンセラーの卵たちが集まりました。


場所は、いつもカウンセリングの勉強で行っているTKN心理サロン(大阪市)。

3日間のワークショップで、昨年もあり、第2弾です。

このアートセラピーは、真っ白な曼荼羅のトレースに自分の好きな色をひたすら塗っていき、自分を表現していきます。特に制約はありません。自分の好きなように塗っていくのです。


今回のテーマも、ユングの理論を使った、3つの自分「ペルソナ」「シャドウ」「トゥルー」を一つのキャンバスに描いていきます。



【絵に表現される自分①・・・「ペルソナ」】

まず、第1の表現は、「ペルソナ(仮面)」の自分。

「まわりのみんなに見せている自分」の表現となります。

この段階では、下絵の通りに奇麗に塗りたいな、と思っています。

この思いこそが、周りに見せている、「きれいな、カッコイイ、良い人の自分」そのもの。


黄土色のキャンバス

(1)まず、真っ白のキャンパスに自分で決めた下地を二度塗りしました。

今回は、黄土色のような色です。

このあたりは、楽勝と思いながら、余裕で塗っています。

















下絵を描いたキャンバス

(2)次に、自分で作成した下絵をカーボンを使い、キャンバスに転写。

昨年は、曼荼羅のテンプレートを使ったのですが、今年は自分で作成しました。

真ん中に天使がいて、周りに大聖堂の天井をイメージをして模様を組み合わせました。

西洋の曼荼羅って感じにしたかったのです。


天使については、最近天使モチーフを目にしていたため、影響していたのだと思います。

下絵を作成したときには、「思い付きで天使を描いてしまったな」と思っていたのですが、この天使がこの後、心を揺さぶってきます。

心の世界の「思いつき」や「無意識」の怖さを目の当たりにしていくことになります。


ちなみに、天使の絵柄も色々調べてみました。このように膝を抱えて眠っているとか、寝転んで両手で肘をついて上を見上げてる、という絵が多いものですね。無邪気さとか表しているのでしょうか。

……プロの人の描く絵と全然違う絵になって恥ずかしい。(←こう思うところも、ペルソナ=よく思われたい自分。)


ペルソナを表現したキャンバス

(3)「ペルソナ」の自分の表現の完成です。これは、もうすでに2日目のお昼です。


色がまだらになり、下絵の線よりはみだし、う~ん、不格好です。

それでも、自分なりに奇麗に、満足できる仕上がりになりました。

天使ちゃんも、陶器をイメージをして、真っ白です。

この時は、奇麗に塗る事に必死でした。


(自己分析)配色が地味。目立たず、シンプルに。純粋性。





【絵に表現される自分②・・・「シャドウ」】

次の表現に移ります。第2の自分は「シャドウ(隠された顔)

みんなに見せたくない、隠したいと思う、「自分が認めたくない自分」です。

主催者の先生の誘導が始まります。

出来上がった奇麗な自分の曼荼羅をじっと見つめて、わいてくる思いを、キャンパスにぶつけていくのです。


私が、じっと自分の絵を見て気になったのが、天使の表情です。

ホントは、(プロの人たちの絵のように)微笑みながら幸せそうに眠っている姿を描きたかったのに。

「なんか、苦虫かみつぶして堪えてるような顔だなあ」「天使のようなポチャポチャした顔じゃなくて、大人みたいな子どもだな」「すねて殻に閉じこもっているように見える」


(自己分析)微笑みながら幸せそう…「ペルソナ」を表している。このように見られたい。

そう見せたいと思いながら仕上げていっていたが、実際よく見ると、しかめっ面。楽しそうでない。引きこもり、周りと遮断しているようにも感じる。

怒られ、構ってもらえず、すねている子どもの頃の自分。

また、子どものような雰囲気を出しつつ、「大人びた子供」も部分も。



★写真なし★

写真を撮るのを失念していました。


(4)先述のように感じた私は、「なんとかこの天使を微笑ましてあげれないか」と感じ、羽に虹のような色を塗ったり、人間に近づかせたい、と思ったりして、体を肌色にしてみたり、ほっぺを赤く塗ってみたり、背景の黒を別の色に変えたりしました。


そしたら、だんだん「なんで、天使やねん!」という思いになってきて、「天使のような、良い子じゃない、いたくない(怒)」と、羽を全部消したくなりました。


でも、羽を打ち消す色を重ねて、一つ一つ消していっていると、「良い子じゃなくて、ごめんなさい」という思いが沸いてきて、号泣。

この背徳感は、すごかったです。


このあたり、訳の分からない矛盾した感情で、ごちゃ混ぜになっていますね。

セラピーは、このような事を繰り返し、繰り返し行い、自分の本当の気持ちに気づいていけるのです。

(そんな状態だったので、写真を撮るのを忘れていたと思われます。)

天使にしたら、怒られたり泣かれたり、八つ当たりもいいとこですね。


セラピーは、泣いていても怒っていても、そのまま続きます。

誰も何も言いません。

その状態を感じ続け、手を止めることなく、思いを絵に表現していきます。


(自己分析)「良い子(人に合わせる)であらねばならない」という気持ちが強すぎる。

そのため、自分らしさを抑え込み、表現することに大きな抵抗を感じている。

原型は親との関係性。

「良い子だから親は笑顔で向いてくれる」「親が笑顔を向けてくれるために、自分も笑顔で良い子でいたい」という思いが強いのだと思う。(=ペルソナ)

心配かけたくない、ふてくされてると怒られる、という恐怖もある。



子どもを表現したキャンバス

(5)号泣が収まった後、なんとなく、羽のない天使の目を開けたくなったので、目を描き、私が子供のころのようなロングヘアにしてみました。ちょっと気持ち悪いですね。


目は開きましたが、口をどのように描くかすごく悩みましたが、笑うことはできませんでした。

無表情。

こんな自分も、心にはいるのですね。

結構頑固。


子どものころ、不機嫌になってふてくされた時、怒られるか、放っておかれた記憶しなく、「周りから、気にかけて構って欲しかったんだな」「不機嫌になった時、『どうしたの』と声をかけて欲しかったんだな」と、対話をしました。

甘え下手になった所以かもしれません。


そして、大人になった今なら、待っているだけで一人ですねていないで、自分から周りに飛び込んで行ってもいいんじゃない?と思うようになってきました。



マンダラアート

(6)次に湧いてきたのが、「どうやっても、天使は笑うこと出来ない」「一度消したい」という思い。


このアートセラピーには、タブーはありません。

一度消してみて、また描きたいと思えば、出現させる事が出来ます。


自分の気持ちに従い、自分が落ち着く色で、全部を消しました。

周りにある羽的なものも全部塗りつぶしました。


(注)私だけでなく、他の参加者の曼荼羅も、この時には同じように、原型をとどめていません。



シャドウを表現

(7)「周りとのつながり」「目立ちたい自分」の表現です。

孤独で、引きこもって、自分だけの世界を作る天使がいなくなると、一番認めたくない自分を表したくなりました。


「私は、目立ちたくない。

できれば、人の影に隠れて生きたい」

私は常に、こんな思いが根底にあります。


しかし、その反面、

「自分らしく輝きたい。私は私。表に出て、輝いた自分で周りとつながりたい。素直に交流したい」

という思いもあるのではないかと。

本当に、これが一番恥ずかしくて、認めたくない自分の思いです。


ぎこちないですね。これが今の精一杯の、「輝きたい自分」の表現なのかも。

下らへんに、金色になったゴキブリみたいな虫がいます。これも自分の目立ちたい願望。



【絵に表現される自分③・・・「トゥルー」】

第3の表現です。

シャドウ(認めたくない自分)を出し、新しく出てくる本当の自分です。


トゥルーを表現

(8)実は、これで今回のワーク終了の時間となってしまいました。


本当は、真ん中の鏡のような部分に、自分らしい輝く自分を表現できれば良かったです。


新しい天使が表れるか、人間になるか、全然別の違う表現になるか。

でも、今回は天使には戻したくなかった。

笑顔も描けなかった。


トゥルーマスク(「本当の自分」)は、持ち越しになりました。


本当に、何気に描いた天使の絵が、ここまで自分との対話の力になってくれ、気づきをもたらせてくれました。



【ワークショップのまとめ】

昨年の参加より、少し丁寧に表現をしていったように思います。

普通に生活し、人と楽しい交流をしていたとしても、心の奥底にはまだ、子どもの頃のわだかまりや願望、求めている叫びがあり、今でも出来ていない問題点につながることに気づきました。

インナーチャイルド


シャドウをたくさん表現できたのは、本当に良かったし、泣けたことはスッとしました。

自己顕示欲は、誰でも持っている当たり前の欲ですが、私はそれに対して罪悪感しかなく、これが自分らしさのブレーキになっていると思っていました。

まだ認めたくない自分もいますが、少しでも表現できたことは、自分での一歩になりそうです。

参加者同士でも、「この曼荼羅を認め、少しずつ足していきたいね」と話しています。


一瞬過ぎたら、もう過去。

新しく筆を入れ続け、今を生き続ける経験になります。







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