こんにちは。カウンセリングルームcoco-caraです。
みなさんは、シルバーウイーク4連休はいかがお過ごしでしたか?
私は、アートセラピーワークショップに参加してきました。
今回は、自分が受けたアートセラピーのレポートをお伝えします。
カウンセラーとして、このようなセラピーを受けることは、「自己分析としての内省」がクライエントを見るための勉強になり、「自分自身のための癒し」のためにも必要なことです。
ワークショップには、10名のカウンセラー、カウンセラーの卵たちが集まりました。
場所は、いつもカウンセリングの勉強で行っているTKN心理サロン(大阪市)。
3日間のワークショップで、昨年もあり、第2弾です。
このアートセラピーは、真っ白な曼荼羅のトレースに自分の好きな色をひたすら塗っていき、自分を表現していきます。特に制約はありません。自分の好きなように塗っていくのです。
今回のテーマも、ユングの理論を使った、3つの自分「ペルソナ」「シャドウ」「トゥルー」を一つのキャンバスに描いていきます。
【絵に表現される自分①・・・「ペルソナ」】
まず、第1の表現は、「ペルソナ(仮面)」の自分。
「まわりのみんなに見せている自分」の表現となります。
この段階では、下絵の通りに奇麗に塗りたいな、と思っています。
この思いこそが、周りに見せている、「きれいな、カッコイイ、良い人の自分」そのもの。
(1)まず、真っ白のキャンパスに自分で決めた下地を二度塗りしました。
今回は、黄土色のような色です。
このあたりは、楽勝と思いながら、余裕で塗っています。
(2)次に、自分で作成した下絵をカーボンを使い、キャンバスに転写。
昨年は、曼荼羅のテンプレートを使ったのですが、今年は自分で作成しました。
真ん中に天使がいて、周りに大聖堂の天井をイメージをして模様を組み合わせました。
西洋の曼荼羅って感じにしたかったのです。
天使については、最近天使モチーフを目にしていたため、影響していたのだと思います。
下絵を作成したときには、「思い付きで天使を描いてしまったな」と思っていたのですが、この天使がこの後、心を揺さぶってきます。
心の世界の「思いつき」や「無意識」の怖さを目の当たりにしていくことになります。
ちなみに、天使の絵柄も色々調べてみました。このように膝を抱えて眠っているとか、寝転んで両手で肘をついて上を見上げてる、という絵が多いものですね。無邪気さとか表しているのでしょうか。
……プロの人の描く絵と全然違う絵になって恥ずかしい。(←こう思うところも、ペルソナ=よく思われたい自分。)
(3)「ペルソナ」の自分の表現の完成です。これは、もうすでに2日目のお昼です。
色がまだらになり、下絵の線よりはみだし、う~ん、不格好です。
それでも、自分なりに奇麗に、満足できる仕上がりになりました。
天使ちゃんも、陶器をイメージをして、真っ白です。
この時は、奇麗に塗る事に必死でした。
(自己分析)配色が地味。目立たず、シンプルに。純粋性。
【絵に表現される自分②・・・「シャドウ」】
次の表現に移ります。第2の自分は「シャドウ(隠された顔)」
みんなに見せたくない、隠したいと思う、「自分が認めたくない自分」です。
主催者の先生の誘導が始まります。
出来上がった奇麗な自分の曼荼羅をじっと見つめて、わいてくる思いを、キャンパスにぶつけていくのです。
私が、じっと自分の絵を見て気になったのが、天使の表情です。
ホントは、(プロの人たちの絵のように)微笑みながら幸せそうに眠っている姿を描きたかったのに。
「なんか、苦虫かみつぶして堪えてるような顔だなあ」「天使のようなポチャポチャした顔じゃなくて、大人みたいな子どもだな」「すねて殻に閉じこもっているように見える」
(自己分析)微笑みながら幸せそう…「ペルソナ」を表している。このように見られたい。
そう見せたいと思いながら仕上げていっていたが、実際よく見ると、しかめっ面。楽しそうでない。引きこもり、周りと遮断しているようにも感じる。
怒られ、構ってもらえず、すねている子どもの頃の自分。
また、子どものような雰囲気を出しつつ、「大人びた子供」も部分も。
★写真なし★
写真を撮るのを失念していました。
(4)先述のように感じた私は、「なんとかこの天使を微笑ましてあげれないか」と感じ、羽に虹のような色を塗ったり、人間に近づかせたい、と思ったりして、体を肌色にしてみたり、ほっぺを赤く塗ってみたり、背景の黒を別の色に変えたりしました。
そしたら、だんだん「なんで、天使やねん!」という思いになってきて、「天使のような、良い子じゃない、いたくない(怒)」と、羽を全部消したくなりました。
でも、羽を打ち消す色を重ねて、一つ一つ消していっていると、「良い子じゃなくて、ごめんなさい」という思いが沸いてきて、号泣。
この背徳感は、すごかったです。
このあたり、訳の分からない矛盾した感情で、ごちゃ混ぜになっていますね。
セラピーは、このような事を繰り返し、繰り返し行い、自分の本当の気持ちに気づいていけるのです。
(そんな状態だったので、写真を撮るのを忘れていたと思われます。)
天使にしたら、怒られたり泣かれたり、八つ当たりもいいとこですね。
セラピーは、泣いていても怒っていても、そのまま続きます。
誰も何も言いません。
その状態を感じ続け、手を止めることなく、思いを絵に表現していきます。
(自己分析)「良い子(人に合わせる)であらねばならない」という気持ちが強すぎる。
そのため、自分らしさを抑え込み、表現することに大きな抵抗を感じている。
原型は親との関係性。
「良い子だから親は笑顔で向いてくれる」「親が笑顔を向けてくれるために、自分も笑顔で良い子でいたい」という思いが強いのだと思う。(=ペルソナ)
心配かけたくない、ふてくされてると怒られる、という恐怖もある。
(5)号泣が収まった後、なんとなく、羽のない天使の目を開けたくなったので、目を描き、私が子供のころのようなロングヘアにしてみました。ちょっと気持ち悪いですね。
目は開きましたが、口をどのように描くかすごく悩みましたが、笑うことはできませんでした。
無表情。
こんな自分も、心にはいるのですね。
結構頑固。
子どものころ、不機嫌になってふてくされた時、怒られるか、放っておかれた記憶しなく、「周りから、気にかけて構って欲しかったんだな」「不機嫌になった時、『どうしたの』と声をかけて欲しかったんだな」と、対話をしました。
甘え下手になった所以かもしれません。
そして、大人になった今なら、待っているだけで一人ですねていないで、自分から周りに飛び込んで行ってもいいんじゃない?と思うようになってきました。
(6)次に湧いてきたのが、「どうやっても、天使は笑うこと出来ない」「一度消したい」という思い。
このアートセラピーには、タブーはありません。
一度消してみて、また描きたいと思えば、出現させる事が出来ます。
自分の気持ちに従い、自分が落ち着く色で、全部を消しました。
周りにある羽的なものも全部塗りつぶしました。
(注)私だけでなく、他の参加者の曼荼羅も、この時には同じように、原型をとどめていません。
(7)「周りとのつながり」「目立ちたい自分」の表現です。
孤独で、引きこもって、自分だけの世界を作る天使がいなくなると、一番認めたくない自分を表したくなりました。
「私は、目立ちたくない。
できれば、人の影に隠れて生きたい」
私は常に、こんな思いが根底にあります。
しかし、その反面、
「自分らしく輝きたい。私は私。表に出て、輝いた自分で周りとつながりたい。素直に交流したい」
という思いもあるのではないかと。
本当に、これが一番恥ずかしくて、認めたくない自分の思いです。
ぎこちないですね。これが今の精一杯の、「輝きたい自分」の表現なのかも。
下らへんに、金色になったゴキブリみたいな虫がいます。これも自分の目立ちたい願望。
【絵に表現される自分③・・・「トゥルー」】
第3の表現です。
シャドウ(認めたくない自分)を出し、新しく出てくる本当の自分です。
(8)実は、これで今回のワーク終了の時間となってしまいました。
本当は、真ん中の鏡のような部分に、自分らしい輝く自分を表現できれば良かったです。
新しい天使が表れるか、人間になるか、全然別の違う表現になるか。
でも、今回は天使には戻したくなかった。
笑顔も描けなかった。
トゥルーマスク(「本当の自分」)は、持ち越しになりました。
本当に、何気に描いた天使の絵が、ここまで自分との対話の力になってくれ、気づきをもたらせてくれました。
【ワークショップのまとめ】
昨年の参加より、少し丁寧に表現をしていったように思います。
普通に生活し、人と楽しい交流をしていたとしても、心の奥底にはまだ、子どもの頃のわだかまりや願望、求めている叫びがあり、今でも出来ていない問題点につながることに気づきました。
(インナーチャイルド)
シャドウをたくさん表現できたのは、本当に良かったし、泣けたことはスッとしました。
自己顕示欲は、誰でも持っている当たり前の欲ですが、私はそれに対して罪悪感しかなく、これが自分らしさのブレーキになっていると思っていました。
まだ認めたくない自分もいますが、少しでも表現できたことは、自分での一歩になりそうです。
参加者同士でも、「この曼荼羅を認め、少しずつ足していきたいね」と話しています。
一瞬過ぎたら、もう過去。
新しく筆を入れ続け、今を生き続ける経験になります。
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