こんにちは。カウンセラールームcoco-caraです。
2018年7月16日に、富山にある聞名寺さんで、お仕事をさせていただきました。
実は、このお寺の副住職は、私の短大時代の同級生で、お寺に嫁ぎ、彼女もお坊さんとして頑張っています。
毎月一回、副住職(私の同級生)がお経をあげ、その後に、いつも法話をされるそうです。
今回は、その法話の代わりに心理学講座をさせていただいた形式です。
【仏教と心理学:共通しているところ】
住み分けがきちんと出来ており、心理カウンセリングと宗教とは別のものではありますが、
以前から、仏教の教えと心理学は共通するところがあるよね、と二人で話していました。
カウンセリングは、1900年くらいから学問として位置づけられ、100年ちょっとの歴史です。
それ以前は、お寺のお坊さんが、町(村)のご相談聞き役として、住民の悩みを聞いていたのです。
宗教の方が入りやすい人もいらっしゃるし、カウンセリングで自分と向き合いたいという人もいます。
入り口は、どのような形でもいいと思います。
大切なのは、人の心の動きや、自分の悩みへの向き合い方、心穏やかにいる方法を自分で考え、実践できるかどうかです。
「自分の人生、どのように幸せに生きようとするか」は、仏教とカウンセリングと共通しているところの一つです。
仏教というと、お葬式や法事のイメージ、また死後の世界の話も出てきますが、今の自分の人生をどう生きたらいいか、を一番に説いているんだと聞きました。
【講座:とらわれからの脱却】
今回の講座のテーマにしたのが、「とらわれからの脱却」でした。
難しそうなタイトルですが、日常にある、さまざまな自分のとらわれ。
仏教では、(簡単な表現になりますが、)「執着は無くしましょう」とよく聞きますね。
その、心理学版でお話をさせていただきました。
私自身、堅苦しくは苦手です。面白く楽しくをイメージしての講座となりました。
これは、誰もがよく見る「だまし絵」です。
ルビンの壺と言って、心理学の理論説明で作られたものです。
・白の部分に注目すると、人の向き合った顔
・黒の部分に注目すると、壺
に見えます。
皆さんは、どちらの図柄も見えているでしょうが、片方の図柄を見ている時は、片方の図柄は見えてないはずです。
「図と地」という言葉があり、注目する部分(図)以外のところは、背景になる(地)、という意味です。
人は、自分の都合の良いように、物事を「図と地」として区別して見ており、これが一番正しいと思っています。
でも、実際は図の部分も地の部分も、しっかり意味を持っています(顔と壺)。
対人関係で例えれば、上記の絵の、顔の部分しか見えない人たち同士が集まれば、意見も合うし、仲良くできます。
しかし、中には壺の部分しか見えない人もいます。
人は、自分の見えている(考えている)こと以外はダメだ、ダメなものは排除してもよい、と考えがちになるので、お互いに「意見が違う!」と言って、「相手を嫌いな人」と認定してしまい、トラブルになってしまうのです。
人間って、こういうところがあるんですね。
先ほども言いましたように、どちらを注目しているかどうか、だけの話で、実際はどちらも「間違っていない」のです。
親子関係、恋愛中のカップルなど、自分の考えに固執し、相手の考えを否定して悩んでいることはありませんか?
「自分の考え以外の部分を見てみる」とか、「合わない人は、違う考え方を示してくれている人だと考えてみる」ということが、「とらわれからの脱却」の一歩になります。
これは相手の意見になりなさい、というわけではありません。
「相手の意見に乗ってしまいそうで嫌だ」という思いになって、頑固になってしまうのかもしれませんが、相手の意見を見てみるというのと、自分の意見をそちらに移すというのは別です。
自分は自分で良いのです。
それに気づいた方が、自分と同じ意見だけの環境の中で暮らすより幅広い世界が見えます。
自分の意見を押し通すより、トラブルになりませんし、人間関係が楽に、自分も自由な感覚になります。
これは、理論が分かっている私も、副住職である友人も、人間である限り直面する悩みです。
「頭では分かっているけど、実際はそう上手くいかないよ」という声が聞こえてきそうです。
人間って、厄介ですね。それだけ自分の考えに執着してしまう生き物なんです。
ただ、「今、自分の考えに執着しているな」と気づけることで、相手への見え方も変わってくるので、関係改善にはつながります。
そういった積み重ねを人生の中でしていきましょうね、と様々な形で生き方を教えてくれているのが仏教法話です。
それになぞらえると、カウンセリングは、悩みを解決しながら、生き方を修正していくという感じかもしれません。
【講座後】
今回、講座を聞きに来てくださっていたのは、毎月16日に本堂でおわら(八尾町のおどり)を奉納(神聖なもので、踊ることを奉納と言われている)されている方々でした。
講座が終わったあと、色んなご感想、ご意見を聞かせていただいて、とてもありがたかったです。
そして講座の後、「おわらおどり奉納」が本堂で催され、これまた見事でした。
初めて生で見ましたが、感動しました。
富山県八尾町にある「門名寺」さんをご紹介させてくださいね。
歴史は古く、とても大きいお寺で、講堂も立派で広いです。
お寺が好きな方は、足を延ばしてみてはいかがでしょうか。
自然たっぷりでゆったりとした環境も味わえます。
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